いわゆるパートが約半数というのは雇用者から見れば非常に安上がりに雇用することができるということで、こうした人たちが保険もなく、定年以降の生活に何の保証もないことを意味している。一方,正規労働者は定年後退職金を得て、なおかつ月々の年金も約束される。かつて「年功序列はもう古い」「能力で査定すべきだ」という議論があった。結果、非正規労働者が増え、富の格差が生まれた。今回、高プロと呼ばれる人たち年収12百万円以上の人たちに一定の賃金を上乗せをすることで残業手当を無くすというものだが、これもどんどん拡大解釈をして低所得層に対して賃金を払わず超過勤務をさせるという現象が出始めている。かつて役職者は残業代は支払わないでよいという法律を盾にマクドナルドホールディングスは形ばかりの役職にして残業賃金を支払わなかった。こういう会社はマクドナルドにかかわらず当時多かったのではないか。「名ばかり管理職」という言葉が流行したが、今もそれに似たことは起きている。企業では残業させていないという証拠を作るためにタイムレコーダーを押させることはどこの企業もやっている。過労死をした後、いつも企業はこれを証拠に残し、裁判に使うためだという。そもそも今回の高プロも経団連からの要請で検討されてたもので、労働者のほうから出てきたものではない。結局、経費削減につながるということだ。自民党が強行採決で押し通したのも企業の経営状態が本来の経営がうまく機能しておらず、経費を圧縮して利益を出すことを急いでいるからではないか。今、日本は少子高齢化が問題になっているが、将来に期待が持てない現実をみたら、子供を産んでまともに育てていく環境があるとはとても思えない。これからの社会どう生きていくのか、中学生の君たちも将来の自分の姿を深刻に考える必要がある。