最近、学力テストと貧困との関係について調査結果が出た。貧困家庭の子供の学力格差が小4で5.5ポイント中2で5.8ポイント(日本財団調査)で優位であったという結果である。
この数値が示しているのは所得格差が学力を反映しているということだが、私たちの心配はわずか10歳にして彼らの未来が決定づけられてしまうということになりはしないかということである。日本財団は「貧困家庭の子は、幼いころから勉強や規則的な生活習慣を身に着けにくい」としている。(東京新聞12・25朝刊)
同時に対策として低学年からの支援の必要性について書かれているが、具体的な指導を
今の学校教育の中でに求めるのはかなり難しいのではないだろうか。その一つとして、
こうした状況を生んだのは他でもない今の学校だからである。学校の実態は教師はただでさえ過労で
放課後、子供たちに補習すら持てない状況がある。
私はかつて受け持った中3生の数学が小学校の2年生の学力しかなかったことがあった。わかるところまで戻ったら、たまたま、小学校の2年生までさかのぼってしまった。そこから毎日勉強して、半年後には一次関数のところまでの計算ができるようになった。その後、無事に公立高校に進学できたが、これはあくまで一つの成功例ではある。すべての子供にあてはまるものではないかもしれない。
しかし、こうした学力不足を解消する手立てはいくつかある。その一つは退職後の教員の活用である。少なくても経験豊かな元教員は指導力は確かである。もう一つは地域の学習塾の活用である。助成金(保護者)を出して指導が受けられれば、貧困家庭の子供も通うことができる。現在私が住んでいる区にはその制度がある。いずれにしても将来の日本を築く子供たちに等しく教育の機会を与えることが急務だろうと考える。貧困だからといってあきらめることはない。利用できるものはもっと利用して子供の将来に道を開いてやるべきだと考える。