来年から道徳を教科として格上げをすることになっている。
これまで道徳には教科書というものはない。代わりに副読本というものがあって週1回取り組んでいるが評価というものはしない。しかし、来年からほかの教科と同じように教科として評価もするというのだ。戦前修身というものがあったが、国家に対する忠誠心を煽った結果、軍国主義に導いたとして、戦後はその反省から道徳を教科から外した。しかし、ここで道徳を教科化にする意図はよくわからないが、政権にとって都合の良い子どもを育てるということなのかもしれない。私は政治的なことには特別興味がないので、批判的なことは言いたくはないのだが、今の子供たちの現状はかなり悲惨で小学校からすでに学力格差は広がり、中学生になるとさらに深刻な状況である。特に国語や数学といった主要教科の差は広がる一方だ。なぜかと言えば、学校の教師が昔と違い、週休5日にして土曜日を休日にしたことで平日に上乗せしたことが大きい。これは確かに教師の労働時間の短縮からそうしたのだろうが、その分夏休みを短縮して10日にするということはかなり変則的だ。夏休みというものは子供たちが学校から家庭に戻って、家庭や地域から生き方を学ぶものとして設定されているものである。海外ではどうだろうか。アメリカは6月から9月までの3か月間は休みになる。ヨーロッパでも同じようなものである。授業時間では今でも日本は220日ほどで世界でも長いほうだ。それを夏休みを10日にしてしまえば、240日から250日の授業日数になるのだが、それで学力格差は解消するのだろうか。子どもの疲労を考えるとどうなんだろうと考えてしまう。