子供たちにとっては勉強をなぜやらなければならないかということはあまり理解できていないと思う。ただ、大人にとっては自分の経験から学力をつけておくことが、将来不利にならないように考えるから学力をつけておきたいと考えるのだが、なかなか子供には伝わっていない。子供たちは勉強ができないでいることに慣れているのか、「だって馬鹿だもの」と案外平気である。だから、将来のことを子供に話してもほとんどが危機感をもってやる気を出すことはないのだ。ではどうすればいいのか。やる気を出す方法はないのかといえばないこともない。

 〝できることが目に見えること”具体的には成績が目で見て確認ができれば、子供は必ず勉強が好きになるのだ。当たり前といえば当たり前なのだが、今来ているA君の場合、2年生の中間が16点、塾に来て期末は40点だった。彼は自分が結構できることを意識したのか、今度の目標は無謀にも80点を目標にしている。「俺、頭よくなっている。先生から褒められたい。」という単純でわかりやすい目標だが、80点は無理にしても前回の点数を確実に上回ることは間違いないと思う。不思議なことに確実に勉強好きに変身してしまっているからだ。まだまだ十分ではないにしろ将来幼稚園の先生をやりたいという彼の夢が一歩一歩実現に向けて歩み始めている。

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