テレビで倉本聰が「今のテレビで足りないものは」と聞かれて想像性だと答えていた。今のメディアは親切すぎて細かなところまでみんな映し出してしまうとも。それと同時に子供からスマホを取り上げろと話していた。

 実際、子供たちの語学力はかなり低い。それは外国語だけではなく、国語であるにほんごの漢字力(語彙力)が極端に低いのだ。小学校でも習う漢字が読めない、書けない。これもスマホのせいかもしれない。特別に難しい漢字ではない。小学校できちんと学習していたら誰でもできるはずなのだが、滅茶苦茶な読みかたで思わず笑ってしまうほどだ。これは冗談ではない、笑えないのだ。さらにひどいのは書き順だ。確かに文字の形はそれらしいのだが、書き順を見たら、小学校の時はどうしていたのだろうと考えてしまう。

 今は昔と違って漢字練習帳があって、簡単に練習ができるようになっている。色もカラフルだ。私たちが子供のころは、そんなものはなかったから新聞広告の紙の裏にただただ書いていた。それが日課になっていた。英語もスマホなんてものがなかったから辞書を持ち歩いて調べた。わからない単語はノートに繰り返し書いて覚えた。今の子供の周囲はやたらと機械があふれていて簡単に調べられるから、逆に記憶する必要はなくなったということかもしれない。でも、テストではスマホは使えないのだから自分の頭の中に記憶しておいたほうが絶対に有利だ。今からでも遅くはない。「スマホなんて捨ててしまえ!」という倉本勲の気持ちがわかるような気がした。

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